“半島のがん診療の要に” 県島原病院、センター開所

最新機器を導入した放射線治療室で説明を受ける関係者ら=県島原病院がん診療センター

 長崎県島原市下川尻町の県島原病院(木下明敏病院長)で6日、2019年から整備事業が進められていた「がん診療センター」の開所式があり、関係者がテープカットで祝った。同センターでの診療開始は9日から。
 県や同市などで構成する県病院企業団が運営する同病院は島原半島の中核病院。本館東棟前に増築した同センターは、地上1階、地下1階の鉄骨造り(一部鉄骨鉄筋コンクリート)で、延べ床面積約754平方メートル。医療機器を除く事業費は約5億6千万円。
 同センターの開所で、通院患者らの薬物療法のためのベッドなどの数は6床から10床に増加。がん病巣に集中的に放射線を照射し正常な組織への線量を低減する「高精度放射線治療」用の最新機器を導入したほか、緩和ケアや相談支援などの体制も充実させる。
 約30人が出席した開所式で、福田実副院長兼がん診療センター長は「がん診療をさらに充実し、島原半島のがん診療の要となることを目指す。遠くまで通院しなくても、安心してがん診療を受けることができるように努める」と述べた。


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