病院側の抗菌薬投与ミスで死亡と主張 遺族が徳洲会提訴 横浜地裁

横浜地裁

 糖尿病患者だった茅ケ崎市の女性=当時(64)=が、膝の骨折による手術後に死亡したのは病院側の抗菌薬の投与ミスが原因だったなどとして、女性の夫ら遺族が9日、湘南藤沢徳洲会病院(藤沢市)を運営する医療法人徳洲会に約7700万円の損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こした。

 訴状によると、女性は2016年1月半ばごろ、右足に糖尿病性の潰瘍が現れたため同年3月、同病院に入院した。女性は入院中に転倒して膝を骨折。手術後に発熱が続き、医師が抗菌薬を投与した。細菌検査を実施して計3種類の薬を順次投与したが、容体は改善せず、女性は4月6日に一時心肺停止になるなどし、同年5月1日死亡した。

 遺族側は一連の投薬について、投与量が不十分だったり、検査結果に対して無効で誤った薬が投与されたりしたと主張。感染症専門医の意見を踏まえ、「正しい抗菌薬を選択し、適切な量を投与していれば死亡は避けられた」などと訴えている。

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