「うぐいすや旅館」自己破産へ 雲仙・小浜温泉街 コロナ禍で経営悪化

自己破産申請の準備を進めているうぐいすや旅館=雲仙市小浜町、小浜温泉街

 長崎県雲仙市小浜町の小浜温泉街で125年続く老舗温泉宿「うぐいすや旅館」(池田正社長)が、自己破産申請の準備を進めていることが10日、関係者への取材で分かった。新型コロナウイルス禍で宿泊客が激減し、経営難が深刻化した。4月から営業を休止している。
 同館は1897(明治30)年創業。橘湾を望む9階建てで客室52室。関係者によると、団体客を多く受け入れる旅館として親しまれてきたが、少子化や旅行スタイルの変化で修学旅行など団体客が減少。個人客の獲得に力を入れたが、2020年から新型コロナ感染拡大の影響で宿泊客が激減し、資金繰りが悪化したという。
 長崎市の弁護士が代理人となり、取引先への債務状況を照会し、負債額の算出を進めている。準備が整い次第、長崎地裁島原支部に破産を申し立てる。従業員は解雇している。


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