神奈川・真鶴町の名簿不正問題 松本町長の支援者にも情報流出 データの入力作業依頼

常任委員会で発言する松本町長=12日、真鶴町議会

 神奈川県真鶴町の松本一彦町長が選挙人名簿を不正利用した問題で、松本氏が自らの支援者にも持ち出した名簿を見せ、データの入力作業を手伝わせていたことが12日、分かった。名簿には有権者の投票に関する記載も含まれており、「投票の秘密」が一般町民らにも流出していたことになる。

 同日の町議会総務経済常任委員会で松本氏が明らかにした。

 松本氏は町職員時代の2020年2月、日曜日の庁舎に入り、保管庫から前年の県知事選の選挙事務で使われた名簿を持ち出した。松本氏は同年夏ごろに支援者3人に名簿のコピーを手渡して入力作業を依頼したという。

 作業は選挙事務所で支援者個人のパソコンを使って数日間行われた。データはUSBメモリーに保存し、その日の作業終了後は松本氏が自宅に持ち帰って管理していたという。

 データはその後、選挙はがき約2500通の宛名書きに利用。名簿には投票に関する記載もあったが、松本氏は「入力したのは氏名と住所だけ。投票状況を示す情報は入っていない」と説明。USBは現在もデータが残った状態で自宅で保管しているという。

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