「世界のリーダーは歴史を理解し正しい結論を出すことを願う」EUミシェル大統領 【声明内容詳報】 原爆資料館訪問

来日しているEU(ヨーロッパ連合)のミシェル大統領が、13日、広島市の平和公園を訪れ、原爆資料館を視察し、「世界のリーダーは歴史を理解し、平和のために正しい結論を出すことを願う」と声明を発表しました。

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EUのミシェル大統領は、午前10時半すぎ、平和公園に到着し、寺田稔総理補佐官の出迎えを受けました。ミシェル大統領は元ベルギーの首相で、2019年、EUの大統領に就任しました。

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広島訪問は今回が初めてで、滝川卓男館長の案内で原爆資料館を視察。原爆がさく裂した瞬間の街の様子を再現した映像などを見学しました。また、芳名録に記帳し、声明を発表しました。

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EU シャルル・ミシェル大統領
「世界のリーダーは歴史を理解し、世界の平和、安全保障のために正しい結論ができることを願う」

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一方、報道陣からの質問を受ける時間は設けられませんでした。

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このあと、松井市長の案内で原爆慰霊碑を参拝して献花しました。午後からは被爆者と面会する予定です。

ミシェルEU大統領声明の主な内容は以下の通り。※現場での通訳による。

私たちは核軍縮と軍備管理のための、具体的なルールや国際制度がある。世界の安全保障を守るため、それらを守り評価しなければならない。

ただ、こうしている間にも世界の安全保障は脅かされている。核兵器国家であり、国連安全保障理事会の常任理事国であるロシアが主権国家であるウクライナを攻撃している。恥ずべきことに許しがたいことに、核兵器の使用に言及すらしている。

そのことは欧州の安全保障を揺るがしているだけでなく、世界全体で核のリスクを危険なまでに高めている。また、日本の隣国である北朝鮮は、違法で挑発的なミサイル実験を繰り返している。それにより緊張が高まり、安全が脅かされている。

差し迫った危険があるからこそ、平和とルールに基づく国際秩序に立脚したパートナーシップ、EUと日本の様なパートナーシップが非常に重要であり、不可欠。

昨日、東京で岸田総理とお会いし、ともに共通の価値、原則、民主主義的な価値を再確認した。

また私たちは完全かつ検証可能で不可逆的な北朝鮮の核兵器の廃絶を支持している。そして軍縮や不拡散など、安全保障に関する防衛を強化することで合意した。

私たちはまたイランとの国際合意、いわゆる包括的共同作業計画を維持すべく、たゆみない努力をし続ける。これはイランが核兵器を手にすることをできなくするもの。

私たち世代の義務や、今ある核軍縮や核不拡散の規範を強化し、普遍的なものとすること。本日、ここ、日本の総理大臣の故郷であるこの場所に立って、欧州と日本が絆でむすばれていることを実感する。

だから世界大戦による首都破壊を経験した欧州と日本が二度と同じことが起こらないようにするため、強く決意していること、これは驚くに当たらない」

※以上英語で、続いて、フランス語で話す。

「1人の個人の経験の中で、忘れがたいひと時が必ず訪れるものだ。

今回の平和資料館の訪問は私にとって、将来、忘れることのない、私の記憶に深く深く残るものだ。

私はここで非常に深い感動を覚えている。実際、この苦しみ、悲劇、悲惨な状況を経験した子どもの顔、男女の顔に非常に私は心が揺れている。肉体にとって、このような苦しみをした経験に触れることが出来、私にとって忘れがたい思い出となる。

この悲惨な状況は人間ができる最悪のことを示している。

地球上にいるすべての人間はこの人類の歴史に触れることができ、それを持って将来を勇気と力強さをもって見つめることができることを心から願っている。

特に世界のリーダーたちはこの歴史に触れて、この歴史を理解し、世界の平和、安全保障のために、正しい結論ができることを願っている。

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