横浜市の旧上瀬谷通信施設跡地(同市瀬谷、旭区)を貫く「海軍道路」の拡幅計画に伴う桜並木の伐採を巡り、二つの市民グループが伐採を見直すよう求める署名を市に相次いで提出した。メンバーらは「多くの市民に親しまれてきた桜並木を残してほしい」と訴えている。
13日に提出したのは、市民有志でつくるグループ「上瀬谷の未来を考えよう会」。署名サイト「Change.org」で4月17日から賛同を呼びかけ、伐採の取りやめや2027年に同跡地で開催される国際園芸博覧会(花博)の事業計画見直しなどを求める3万5053人分の署名を市の担当者に手渡した。
桜の名所として知られる海軍道路は道路沿い約3キロに計321本が植えられ、市の計画では拡幅する1.3キロ沿いの226本を伐採する。市側は「老朽化が進み、再生が必要」として、伐採後に別品種を植栽して桜並木を再生させる計画を検討するとしている。
この日、提出後に記者会見したメンバーらは「SDGs(持続可能な開発目標)に反する行為だ」「市民の意見も聞いて決めてほしい」などと指摘。樹齢40年ほどで健全度が高い木も多いとし、「全て切らなくてはならない木ばかりではない」と訴えた。山中竹春市長に対し、署名と同じ内容を盛り込んだ陳情書も提出した。