「脅しを受けているのは世界の人々」 “ウクライナ国民的歌手”チーナ・カーロリさんが広島へ 原爆ドーム訪れ慰霊碑に献花

ウクライナの国民的歌手といわれるチーナ・カーロリさんが広島を訪れ、「今の戦争は世界の文化や自由を破壊するものだ」と述べました。

チーナ・カーロリさんは10日に初来日し、楽天グループが開催したウクライナへのチャリティイベントに参加。15日は三木谷浩史代表取締役会長兼社長とともに広島県を訪れました。

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表敬訪問した湯崎知事との英語での会談では、「今の戦争は世界の文化や自由を破壊するものだ」と述べ、最後にウクライナ語で「すべての国がウクライナの状況に責任を持つべき、どういうことが起こってしまうのかを理解すべき」と呼びかけました。

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午後からは平和公園を訪れ、原爆ドームを視察。原爆慰霊碑に献花して手を合わせ、祈りをささげました。

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また、チーナ・カーロリさんは原爆資料館も見学。
見学後、報道陣の取材に応じ、次のように話しました。

チーナ・カーロリさん
「資料館をみて、これが世界に起こると思うと心が痛む。今、脅しが起きていることを痛感しています。芳名録にはウクライナから皆さんに向けて、『平和と愛。みなさん助けてください』と書きました。このような悲しみを見ると、なぜ世界に戦争が起こるのか、と信じられない。私たちの目標はウクライナのみならず世界の平和。ウクライナが前面には立ってるけれど、脅しを受けているのは世界の人々です。ウクライナのためにここを訪れるなんて、想像もしていなかった。絶対に同じようなことは二度と起こしてはならない。日本は素晴らしい国、素晴らしい復興ができた。技術も街もうまく復興していることに、感銘をうけた。私たちもそこから学んで、今後どうしたらいいか考えていきたい。日本からの愛、支援を実感します。本当にありがとうございました」

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楽天によりますと、チーナ・カーロリさんは、ウクライナの歌手や女優、そしてテレビ番組の司会者も務めています。2017年には大統領令でウクライナ国民を代表するアーティストに選ばれ、2020年にはゼレンスキー大統領から聖オリガ公妃勲章が授与されているということです。

ウクライナでの紛争が始まってからは、各地に赴き、デモを通じて人々の士気をあげるために活動していて、現在は紛争でウクライナの人に与える人道的な影響について、世界に向け注意喚起する取り組みを続けているということです。

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