〈県知事選〉立候補者主な政策 新潟のリーダー誰に

 県知事選(29日投開票)は現職・花角英世氏(64)と、脱原発系市民団体会長で会社役員の新人・片桐奈保美氏(72)の立候補者2人が激しい舌戦を展開している。花角氏はこの1期4年間の方向性を継続しつつ「対話重視、県民最優先」の県政運営を強調。対する片桐氏は「原発なくして病院残す」をモットーに、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働反対を強く訴え、「脱・原発型政治」を提唱している。双方の主張、政策公約を紹介する。(届け出順)

◇花角氏 新潟の潜在力発揮
 (1)「選ばれる新潟」に全力
 新潟県が若者、女性、企業、観光客などに「選ばれる」ようにワーク・ライフバランス充実、女性活躍推進、官民を挙げた起業・創業の後押し、デジタル化支援、観光地開発などに取り組む。
 (2)足元の新型コロナ感染症にしっかり対応
 感染防止対策と社会経済活動の維持・回復に向け、市町村、医療関係者などと全力で取り組む。具体的には感染状況に応じた病床の拡充、市町村と連携したワクチン接種、厳しい状況の事業者の資金繰りやイベント実施支援、中小企業のチャレンジ支援など。
 (3)新潟の潜在力発揮に向け取り組む3本柱
 新潟県が将来にわたり持続可能で活力のある豊かな県であり続けるため、「地方分散の流れを活かし、人口減少の改善に向けたUIターンの促進」「産業と地域の活性化につながる脱炭素社会への転換」「デジタル化により、暮らし・産業・行政を変革」を3本柱に取り組む。
 (4)原発は県民の安全最優先で、(福島第1原発事故の)「3つの検証」をしっかり進める
 検証結果が出るまでは再稼働の議論はしない。結果は広く県民と情報共有し、評価を頂く。併せて、現在、技術委員会で行っている柏崎刈羽原発の安全性確認も踏まえ、結論を得て県民の信を問うことを考える。国や東京電力には県民の安全最優先の姿勢で向き合う。原発に依存しない社会の実現を目指し、県民の安心・安全を守る。
◇片桐氏 教育・子育て前へ
 (1)「ケアといのち」重視の県政。安心・安全社会の実現。地域医療をやせ細らせない
 花角県政による社会福祉医療削減方針から脱却する。医師・看護師は大幅に増やし、病床削減計画は中止する。13の県立病院の民営化や市町村化をやめ、きめの細かい地域医療を守り抜く。米山県政で構想された「県民健康ビッグデータ構想」を推進する。
 (2)県財政の健全化と県民サービスの拡充
 民間の「生きた経済」を知る者として、県財政支出の無駄を徹底的になくし、県予算1兆3000億円の約1割を浮かせ、福祉や教育予算、県民サービスのための人件費などに割り当てる。手始めに県知事公舎を売却する。創設する「新潟再生会議」(仮称)などで改革を断行する。
 (3)次世代の女性が本当に活躍できる県、男女共同参画と「教育と子育て№1」の県へ 
 県庁内の女性管理職の登用推進、働く女性のための学童保育や病児保育施設完備、給付型奨学金制度の拡充、県立学校の学費引き下げ、学校給食無償化、県独自の新型コロナ対策、公共交通機関拡充などに向けて取り組む。
 (4)「農業県新潟」の再生、次世代に向けた新しい農業=幸福社会の姿
 戸別補償制度、価格保障制度などで県の宝である農業を守る。営農型ソーラーの大規模導入など「稼げる農業」を。農業と自然エネルギーと観光を結び付け、「幸福度世界一」の農業国デンマークのような幸福で豊かな新潟を目指す。

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