今期限りで退任意向 長崎商議所・宮脇会頭 観光振興へ「おもてなし意識 高めて」

「宿泊者数を増やすことが長崎観光の課題」と話す宮脇氏=長崎市桜町、長崎商工会議所

 長崎商工会議所会頭を今期限りで退任する意向を明らかにした宮脇雅俊氏(77)は16日、本紙のインタビューに応じ、観光振興への思いを語った。本県を訪れたい人が多い一方で、実際の宿泊者数は47都道府県で中位にあるとして、「観光のポテンシャルはまだある。おもてなしの意識を高めてリピーターを増やす必要がある」と強調した。
 ここ数年の民間や国の調査によると、訪れたい都道府県ランキングで本県は北海道、沖縄などに続いて6位につけるも、年間延べ宿泊者数は20位台半ばとなっている。
 長崎市では昨年11月にMICE(コンベンション)施設「出島メッセ長崎」が、今年9月には西九州新幹線(武雄温泉-長崎)が開業する。宮脇氏は「観光業の裾野は広く、大勢を呼び込むインフラは整備されつつある。長崎は楽しい、食べ物がおいしい、と本当に感じてもらえるようソフト面の改善が必要」と指摘。観光関係者のワッペン着用などで力を入れている「おもてなし」意識の向上について「DNAを変えるような気持ちで取り組まないといけない」と述べた。
 3年連続で奉納踊りが中止となった長崎くんちについては「くんちがない長崎の秋は寂しい。非常に残念」。ただ「奉納踊りに代わるものを関係者が知恵を出してできないか。踊町や市民の間にそういう気運はあると思う」と期待を寄せた。このほか県庁舎跡地の観光拠点化やサッカーJ2のV・ファーレン長崎のJ1昇格なども願った。


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