長崎で子どもの性暴力被害考える催し 市民団体代表ら 性教育の必要性強調

SNSを通じた子どもの性暴力被害について意見を交わす(左から)佐藤さん、中山さん、内海さん=長崎市立図書館多目的ホール

 交流サイト(SNS)を通じた子どもの性暴力被害について考える催しが14日、長崎市興善町の市立図書館多目的ホールであり、市民団体の代表らが偏った性の情報が氾濫するネット社会の課題を指摘し「正しい知識を与える場を」と性教育の必要性を強調した。
 同市の女性グループ「ながさきwomen’sラボ」の実行委主催。佐藤紀代子共同代表の進行で、同市の市民団体「長崎性教育コミュニティ アスター」の中山安彩美共同代表(35)と、大村市のNPO法人「schoot(スクート)」の内海博文代表(44)が意見を交わした。
 中山さんは「自立し、仲間とつながりたい気持ちが強くなる」などと思春期の子どもの特徴や取り巻く環境を紹介。趣味を共有できるSNS上の「友達」として悩み相談に応じて信用させるなど、「子どもの寂しさや不安定さに付け込む」加害者の手口を説明した。
 県メディア安全指導員としてSNSなどのメディア教育の講話活動に取り組む内海さんは、子どもがトラブル時に周囲に相談しやすい環境づくりの重要性を強調。「親や先生が『怒らないで対応する』と日ごろから子どもに伝えてほしい」と求めた。
 ネット社会の課題として内海さんは「偏った性の情報が氾濫している。(そのまま信じて)好きな人と関係を持つときに相手を傷つけてしまう。何が正しい情報か与える場が必要」と指摘。中山さんは学校での性教育の必要性を訴え「先生も全員が専門家ではない。外部講師の力を借りてほしい」と呼びかけた。
 催しは子どもへのSNS上の性暴力の実態を追ったドキュメンタリー映画も上映。約60人が参加した。


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