長崎で「憲法さるく」 被爆遺構巡り平和学ぶ

陸門さん(手前右)の話を聞く参加者=長崎市、住吉神社

 長崎のまちなかを歩き、平和や憲法について考える「憲法さるく」が4日、長崎市内であり、参加者25人が、浦上地区の被爆遺構を巡りながら、戦争や原爆の被害に思いをはせた。
 護憲派の市民団体「県九条の会」が企画し、15回目。講義やデモとは違ったまち歩きの形式で、若い世代や子どもたちに平和憲法について考えてもらおうと毎年、憲法記念日(3日)とこどもの日(5日)に合わせて開いている。
 今年は、長崎市古賀町の胎内被爆者、陸門良輔さん(76)をガイド役に「浦上の被爆遺構を訪ねて」と題したコースを設定。戦時中に疎開工場として魚雷部品を生産していた三菱兵器住吉トンネル工場跡や、原爆の爆風で足が欠けたこま犬が残っている住吉神社などを訪ね歩いた。
 陸門さんの母親は、伊良林1丁目の光源寺近くで妊娠中に被爆した。姉が被爆の後遺症に苦しんだことや、原爆投下後に親戚から差別的な扱いを受けたことなど自身の体験についても語り「一瞬にして多くの人の暮らしを奪ってしまう。二度と起きてはならない悲劇だ」と語りかけた。

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