「幸せを運んでくれた」感謝の渡り初め  西海・崎戸の本郷橋開通半世紀

感謝の思いを胸に本郷橋の「渡り初め」をする参列者=西海市崎戸町

 長崎県西海市崎戸町の崎戸島と蠣浦(かきのうら)島を結ぶ本郷橋(全長99メートル)の開通半世紀を祝う「感謝の渡り初め」が21日、橋のたもとの同町本郷の物揚げ場であった。
 同橋は1971年5月17日開通。崎戸炭鉱閉山後の島の生活の向上や、住民の融和に寄与してきた。「渡り初め」は両島の4町内会で構成する本郷地区自治会(福岡昭和会長、85世帯・170人)が主催し、住民ら80人が参列した。
 橋の安全を祈願した後、式典があり、福岡会長が「この橋は地区にとって何物にも代え難い貴重な財産」とあいさつ。住民を代表して市立大崎小6年の國嶋日乃さん(11)が架橋実現に尽力した県と同市に感謝状を贈った。
 住民2人の体験談話もあり、友重誠さん(84)が橋がなかった時代を振り返り「渡し船で通勤、通学していたが、本郷橋は幸せを運んでくれた。本当にありがとう」と謝意。架橋の年に生まれた青野英孝さん(50)は「橋と共に地域全体を自慢できるところにしていきたい」と力強く語った。
 橋の欄干には「感謝 本郷橋開通半世紀」の横断幕が掲げられ、最後に参列者が「渡り初め」をした。

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