三国祭、江戸時代から変わらない熱気 迫力ある人形山車が見せ場【若越画報】

風情ある町並みを巡行する山車「北条義時」=5月20日、福井県坂井市三国町北本町4丁目
大勢の見物客でにぎわう三國神社前=5月20日、福井県坂井市三国町山王4丁目

 北陸三大祭りの一つ、福井県坂井市の県無形民俗文化財「三国祭」。見せ場は迫力ある人形山車(にんぎょうやま)と三國神社の大神輿の巡行だ。2022年は3年ぶりに全ての当番区の山車が勢ぞろい。5月19~21日の期間中、港町は江戸時代から変わらない町衆らの熱気に包まれた。

 三国祭は三國神社の例大祭。初日は神事が営まれ、地元の女児が厳かに「浦安の舞」を奉納、新型コロナウイルスや争乱に揺れる世界の安寧を願った。

 祭り本番の中日。神社に奉納される今年の当番区の山車が旧市街地を勇ましく練り歩いた。神社前に集結した山車7基。男衆の熱気は最高潮に達し、大神輿とともに順に動き出した。山車が方向転換で急旋回すると、見物客から歓声が上がった。威勢のよい掛け声とにぎやかな囃子。夜遅くまで祭りは続いた。

 約300年の伝統と技術を継承へ―。坂井市は国の重要無形民俗文化財の指定を目指し、今後本格的な調査に入る。町衆の心意気や長い歴史は、未来につながっていく。

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