洋上風力発電、長崎に訓練所 海洋産業クラスター形成推進協

 海洋再生可能エネルギーの関連産業集積を目指すNPO法人、長崎海洋産業クラスター形成推進協議会(坂井俊之理事長)は27日、洋上風力発電所の作業員訓練施設を開設する計画を明らかにした。建設、保守を担う人材育成に特化した国内初の施設。2024年8月に長崎市沿岸部でのオープンを目指す。
 同協議会によると、国内では、洋上風力発電の建設・保守作業員が30年までに約9千人増える見込み。作業船から洋上タワーに乗り移るなどの危険を伴うが、専門的な訓練施設がなく、将来的な人材不足が課題となっている。
 洋上風力発電が盛んなヨーロッパでは、作業員は業界団体GWOが認証した訓練を受けるのが一般的。同市内に新設する訓練施設では、GWOの認証訓練を受けられる洋上訓練タワーや船舶、屋内プールなどを整備する。日本財団が3カ年計画で出資し、本年度は約5億円の予算で、デンマークの訓練施設視察や設備設計を予定している。
 同協議会は27日、同市内で総会を開き、訓練施設開設を盛り込んだ本年度事業計画を承認。このほか、九電みらいエナジー(福岡市)をリーダーに五島市で進めている大型潮流発電の実証実験で、商用化に向けた技術構築を加速する。
 総会後は、経済産業省風力政策室の菊池沙織室長補佐が洋上風力発電政策の現状についてリモートで講演した。


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