朝ドラ「ちむどんどん」舞台の横浜・鶴見はリトル沖縄 料理店や食材店が点在

YouTubeチャンネル「鶴見でちむどんどんチャンネル」の撮影風景

 臨海部の京浜工業地帯の一角に位置し、沖縄にルーツのある人が多く生活する横浜・鶴見。かつて工場労働者として大勢の沖縄出身者が移住した。本土復帰50年に合わせたNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」の舞台にもなり、街の関係者は「この機会に、鶴見や沖縄の歴史や文化を知ってもらいたい」と地域の魅力発信に取り組んでいる。

 横浜・鶴見沖縄県人会は会員250~300人。活動拠点となる同県人会館一帯には、沖縄料理店や食材店などが点在する。

 会長の金城京一さん(73)は今帰仁村(なきじんそん)古宇利島(こうりじま)生まれ。20歳の時、3泊4日の船旅で上京した。当時は復帰前で、本土へ渡るのに必要だった琉球列島米国民政府発行「日本渡航証明書」には証印も押されている。

 上京して4~5年後、川崎市内から移り住んだ横浜市鶴見区は、地縁血縁を頼りに沖縄から来る人が増え、当時すでに出身者のコミュニティーができていた。「沖縄料理が食べられる小料理店がたくさんあり、夜になると三線(さんしん)の音が聞こえた」と振り返る。近年は、南米などに渡った沖縄出身者の子孫となる日系人が鶴見へ移住しているという。

 「先輩方が残してくれた伝統文化を絶やすわけにはいかない」と継承への思いは強く、7月31日の「沖縄角力(すもう)」は、本土ではここでしか見られない伝統行事だ。今回は大人部門だけだが、新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となる。エイサーで練り歩く8月の「道じゅねー」、11月の食や文化交流のイベント「鶴見ウチナー祭」と続く。

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