スマホ初購入の高齢者に2万円分助成 平戸市、防災アプリ取得など条件

平戸市が運用開始に向け準備を進める防災アプリ「ひらどナビ」のトップページ(平戸市提供)

 長崎県平戸市は6月1日から、スマートフォンを初めて購入する65歳以上の市民に対する費用助成事業をスタートする。同市が近く運用を始める防災アプリ「ひらどナビ」取得などを条件に、キャッシュレス決済などに使えるポイント2万円分を1人1回付与。高齢者のデジタル活用推進と行政・防災情報の伝達を両立させる珍しい取り組み。
 助成対象は市税滞納がなく、マイナンバーカードを所持する1958年4月1日以前に生まれた市民。先着500人限定。
 現時点で同事業を利用できる携帯電話会社は、NTTドコモのみ。同市岩の上町のドコモショップ平戸店で契約すると、市が原資を負担したポイント2万円分が付与される。事業費約1200万円は同市の本年度当初予算に盛り込んだ。同社長崎支店によると、同社が自治体予算でポイントを付与するのは九州で初めてという。
 「防災無線の音声が聞こえにくい」などの市民の声を受け、同市は防災メールを併用しているが、高齢者らは手続きの煩雑さに不満の声が上がっていたため、市は防災アプリを開発。高齢者のアプリ活用を促すとともに、非接触型のキャッシュレス決済の導入推進による新型コロナ感染対策も兼ねた。
 黒田成彦市長は「キャッシュレス決済にも使えるなど利便性を知って、スマホに換えるきっかけにしてもらいたい。非接触型決済システム推進にも有効」と同事業の狙いを説明した。
 同市はほかの携帯電話会社にも参入、協力を呼びかけている。問い合わせは同市総務課DX戦略室情報政策班(電0950.22.9108)。


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