“誇りと使命感、受け継ぐ” 普賢岳火砕流現場で慰霊 島原署

雲仙岳災害記念碑で手を合わせる署員=島原市北上木場町

 消防団員ら43人が犠牲となった雲仙・普賢岳噴火災害の大火砕流から31年になる6月3日を前に、島原署の署員が30日、警察官2人が命を落とした長崎県島原市北上木場町の北上木場農業研修所跡周辺などを訪れ、犠牲者を慰霊した。
 普賢岳噴火災害は1990年11月から96年6月の終息宣言まで約5年半に及んだ。当時を知らない世代の署員に伝承しようと、2017年から毎年実施。
 約50人が2班に分かれ、時間を変えて訪問した。署員は研修所跡近くの雲仙岳災害記念碑前で犠牲者に黙とう。1班の約30人の前で、竹田英城署長が「警察官として、命の危険を顧みずこの場所に向かった2人の使命感を忘れることはできない」と訓示した。
 2人が当時、避難広報や誘導のため、消防団員の詰め所だった同研修所周辺に向かい、大火砕流に巻き込まれた経緯などの説明もあった。地域課の浜口航巡査(29)は「2人の誇りと使命感を受け継ぎ、有事の際にしっかり対応したい」と語った。


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