「命を大切にします」佐世保・小6同級生殺害から18年 児童ら集会で決意

教室で「いのちを見つめる集会」に参加する児童ら=佐世保市東大久保町、市立大久保小

 2004年に長崎県佐世保市で起きた小6女児同級生殺害事件から18年となった1日、現場の市立大久保小(蒲川法子校長、115人)で「いのちを見つめる集会」があり、亡くなった御手洗怜美さん=当時(12)=を追悼して児童たちが黙とうをささげた。例年体育館で開いているが、新型コロナウイルス感染防止のため、児童らは各教室に設置しているテレビで校長の講話などを聞いた。
 蒲川校長は「18年前の6月1日、当時6年生の御手洗怜美さんが亡くなりました」と切り出し、事件の詳細や加害者には触れなかった。御手洗さんがランドセルに家族旅行の写真を入れて大切にしていたと紹介。15年前に病気で亡くなった2年生女児がいたことや、自身が小学6年の時に高校3年の兄が病死したことなどを話し、「一度失った命は取り戻すことができない。命と時間を大切に、みんなが輝く大久保小にしていきましょう」と呼びかけた。
 講話後、学年別に収録した「命を大切にします」「仲良く助け合おう」などの決意の言葉を披露した。
 蒲川校長は報道陣の取材に、講話内容は職員会議などで話し合い「事件の内容をそのまま伝えることが(児童の)心の教育につながることにはならない。心的ストレスに与える影響の方が大きい」と判断したと説明。風化は「絶対にあってはならない」とし、若手教員らに事件を伝えるなど「大人がきちんと知り、子どもに命の大切さを伝えることが大事」と強調した。
 事件は04年6月1日、同校学習ルームで起こった。同級生の女児=当時(11)=が御手洗さんをカッターナイフで切り付け、殺害した。


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