競泳・男子200自 染(長崎西)頂点譲らず 第74回長崎県高校総合体育大会 第1日

【競泳男子200メートル自由形決勝】1分57秒22でV2を飾った染(長崎西)=長崎市民総合プール

 スタート直後から後続を引き離した。競泳男子200メートル自由形で2連覇を果たした染(長崎西)。「自分が戦える場所」と自信を持つ種目で、最後の県高総体も頂点を譲らなかった。
 長大付中時代は陸上部を掛け持ちし、駅伝のメンバーにも選ばれた。この時に培った脚力が水泳に生かされ、持ち味のキックの強さにつながった。高校進学後は塾通いや1歳で始めたピアノも続けながら、登校前にプールで朝練習をこなしてきた。
 大会や記録会は、常に参加できる上限いっぱいの種目数にエントリー。「大事な大会に出たとき、疲れがたまった状態で結果を出したいから」と、指導陣も認める「ガッツのある泳ぎ」で実戦を重ねてきた。
 その努力を体現した今回だったが、表彰台に上がった瞬間の表情はどこか険しかった。1分57秒22の優勝タイムはインターハイ出場の標準記録に届かず「アップ不足もあったと思う。このタイムじゃ九州、全国で通用しない」。
 1年時に鹿児島国体の出場権を得たものの、コロナ禍で中止。それから、まだ全国舞台は踏めていない。「微妙な結果のまま受験はしたくない。全国で実績を残したい」。高校ラストイヤーの今季、悔しさを胸にさらなる飛躍を期す。


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