陸上男子100 深山(口加)、最速決定戦で大幅自己新 第74回長崎県高校総合体育大会 第2日

【陸上男子100メートル決勝】トップでゴールに飛び込む深山(口加、右端)=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 大粒の雨をものともせず、精鋭ぞろいの最速決定戦を大幅な自己新記録で制した。
 混戦とみられていた男子100メートル決勝は、深山(口加)が10秒59をたたき出して快勝。得意のスタートを決めると、ライバルに差を縮めさせないまま駆け抜けた。持ち記録の10秒71を0.1秒以上も縮める会心のレースに「3年生の意地を出せた」と感無量の表情を浮かべた。
 中学時代に10秒台をマークしていたが、以降は苦難の連続だった。全国中学大会の直前に肉離れを起こし、昨年のインターハイ前はけがが再発。大舞台で思い切り走ることすらかなわない苦しさを2度も味わった。その間に1学年下の中川(佐世保西)や植松(長崎南)らが成長。気が付けば高校入学以来、一度も県で1位を取っていなかった。
 それでも、投げ出さずに、自らの課題と丁寧に向き合えるのが深山の才能だ。後半の弱さを克服し、5月の県選手権で初優勝。ライバルたちに競り勝ったことで自信を深めていた。
 全校生徒が245人と決して多くない口加で、陸上部は学校を盛り上げてくれる大きな存在だという。今大会、チーム5人目の優勝者となったスプリンターは「これで満足せずに、もっといい結果を出したい」と今夏の飛躍を約束した。


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