暗闇に漂うホタルの光 幻想的 新見・唐松地区でシーズン到来

小坂部川を飛び交うホタル=3日午後8時38分、新見市唐松(1分14秒露光)

 新見市内有数のホタルの名所として知られる唐松地区で、ゲンジボタルの舞が本格化している。暗闇に無数に漂う幻想的な光が、住民らを魅了している。

 乱舞しているのは地区を流れる小坂部川沿いで、辺りが暗くなる午後8時ごろから草むらや木々の間に潜んでいたホタルが一斉に飛び交い、淡い黄緑色の光の線を描いている。

 唐松地区へ5年前に東京から移住してきた農家の女性(50)は「上も下も左も右も、見渡す限りホタルに囲まれていて美しい。こんな光景は都会では見られなかった」と笑顔を見せていた。

 地元でホタルの保護活動に取り組む「唐松ホタル同好会」によると、今年は例年並みの5月下旬から飛び交い、15日ごろまで楽しめそう。その後は入れ替わるようにヒメボタルが舞い始めるという。藤沢清会長(74)は「今年も無事に飛んでくれた。ぜひ幻想的なホタルの光を見に来てほしい」と話している。

 18日午後7時20分からは、唐松公民館でホタルの学習と観賞会を開く。問い合わせは同館(0867―76―9020)。 

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