JR福井駅周辺のアリーナ構想、2026年春の開館目標 コンサートや展示会は年間90日開催見込み

アリーナ整備構想の候補地となっている福井市東公園=福井県福井市豊島2丁目

 福井県福井市の市東公園を事業候補地とするJR福井駅周辺でのアリーナ整備構想で、開館を2026年春ごろとするスケジュールが6月7日、県都にぎわい創生協議会の会合で示された。資材高騰などで当初よりも建設費が膨らむ見通しで、野坂鐵郎座長は当初8月としていた構想の取りまとめが遅れる可能性に言及した。

 同協議会によると、アリーナは敷地面積約1万平方メートルで、東公園(約3万平方メートル)東側に整備する。5千席程度の規模とし、大型ビジョンやサブアリーナなどを設ける。バスケットボールなどのプロスポーツを年間60日程度、コンベンションや展示会、コンサートを90日程度、学生や地域などの利用を200日程度と見込んだ。来年夏ごろに基本設計に着手し、24年秋ごろから建設工事に入る方針。

 民間資本による施設整備を担う合同会社と、開設後の運営に当たる会社を立ち上げ、「民設民営」とする。借り入れや企業による出資などで整備費を捻出。整備後は施設を運営会社に貸し付け、収益を建設費の償還に充てていくスキームを例示した。市や県も一定の利用日数を引き受け、運営会社に利用料を支払う形で支援する。

 この日は建設費など収支計画は示されなかった。アリーナ構想を取りまとめる同協議会エリアマネジメント部会の梅田憲一部会長は会合後の会見で、毎年数億円の収益を見込んでいるとしたものの、「資材が高騰していて、(数十億円規模とされる)建設費の見積もりも出せていない」と説明。野坂座長は「もう少し慎重に採算の検討などを進めてもいいかもしれない」と話した。

 会合で杉本達治知事は「徐々に絵が描けてきて具体的な規模も示された。実現することがにぎわいづくりに重要な要素」と話した。東村新一福井市長は、事業スケジュールなど慎重な協議が必要とした上で「建設コストや資金調達など十分に精査する必要がある。民間主体の整備、運営の枠組みをしっかり示してもらえれば支援していきたい」とした。

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