J-ホールディングス解散方針を説明 存続会社 在り方で議論 上越市議会文経常任委

 上越市は10日開かれた市議会文教経済常任委員会で、市内の温浴・宿泊施設を運営する三セク5社(事業会社)の持ち株会社「J―ホールディングス(JHD)」を2022年度中に解散させる方針を説明した。
 事業会社の解散や売却などで規模が大幅に縮小、事業効率化による経営改善が期待できなくなることから、解散に踏み切る。
 JHDは13年、温浴施設やスキー場、ホテルなどを運営する事業会社7社の持ち株会社として設立。資本金1億円で、市が80・2%を出資。銀行出身者を社長に起用し事業会社の業績改善を目指したが、全社の黒字化達成に至らず、社長交代後も事業会社の地域性や企業文化の違いで成果が上がらなかった。JHDの関係者は「管理部門の一部を一元化できたのは今年に入ってから。仕入れなどには改善の余地がまだあった」と話した。
 JHDの21年3月期の決算は6300万円の純損失を計上、設立以来8期連続で赤字決算が続く。20年3月にはスキー場を運営していた安塚区の事業会社が、翌年5月には温浴施設を運営していた三和区の事業会社が経営不振を理由に解散。事業会社の売上規模は設立時に18億円程度だったが、21年度には約3億円まで落ち込んだ。
 そうした中、JHDは名立区の事業会社を6月末、長野市の企業に売却する。残る4社は吸収合併などの方法で1社(存続会社)に集約し市が全株式を保有、市はその後JHDを解散させる方針。市は存続会社に4施設の指定管理を任せる考えだ。
◇「まず総括を」 議員から異議も
 委員からは存続会社も黒字化が難しいという予想を前提に、経営の在り方を問う声が相次いだ。上野公悦委員(共産)は、存続会社への吸収合併は「やろうとしていることがJHD(設立)と同じ。JHDの総括がまず必要」と異議。竹下智之施設経営管理室長は「目指す方向は同じだが、JHDは成果が出なかった」とし、存続会社を1社とすることで経営基盤の強化や固定費の削減、スタッフの柔軟な配置を実現できると答えた。
 小田基史副市長は「施設そのものは、どのようにして機能の最大限に発揮するか。その運営会社は、JHDでは意思決定に関与者が多く前に進まない面があった。1社にすることで企業統治もうまくできてくると考えている」と述べた。

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