長崎市長の減給案可決 性暴力訴訟判決受け 定例市議会

 2007年、女性記者が当時の長崎市幹部(故人)から取材中に性暴力を受けたとして市に賠償を命じた長崎地裁判決を受け、定例市議会は10日、本会議を開き、田上富久市長を6カ月間50%の減給とする条例改正案と賠償金を支払うための本年度一般会計補正予算案を可決した。
 田上市長は、市の代表者として責任を取り、7月から計約455万円分の減給となる。一方、補正予算は女性に支払う賠償金約1975万円に加え、被害発生から15年分の遅延損害金1481万円(年利5%)など計約3810万円。市は元幹部の相続人に対しても賠償を求める予定。
 本会議に先立って開いた総務委員会では、委員から再発防止の徹底を求める意見が相次いだ。賠償を巡っては「市幹部のこうした行為で公金が支払われるのは大変なこと。(職務中)何か起きた時に職員が責任を負うことを明確にすべきだ」「市民から見ればかなりの予算。職員間で寄付するなど重さをみんなで負担する雰囲気を期待する」などの注文があった。
 判決は、元幹部が振るった性暴力は職務関連性があり、市は二次被害を防ぐ注意義務に違反したと認定した。田上市長は7日に控訴断念を表明。女性に謝罪する意向を示している。


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