雲仙市2021年観光統計159万人 前年比13%減 コロナの影響続く

雲仙市 観光客動向

 長崎県雲仙市が発表した2021年の観光統計によると、同市への観光客は延べ159万4539人(前年比13%減)で、7年連続で減少した。20年に続き、新型コロナ感染拡大による人流抑制の影響で、基幹産業の観光誘客の落ち込みが続いた。
 観光客の内訳は日帰り客が112万4632人(同7.9%減)。滞在日数を客数に換算した「宿泊客延べ滞在数」は46万9907人(同23.1%減)。観光消費額は130億7843万円(同6.4%減)。コロナ禍でも4、5月は県民宿泊割引や大型連休の旅行需要増加で、宿泊客数が前年の2~3倍に伸びたが、8月には大雨で雲仙温泉街の一部が被災し、宿泊が伸び悩んだ。
 修学旅行宿泊客は7297人で20年比16.6%増。20年は新型コロナ禍で関東、関西方面からの宿泊が減った一方で、九州・沖縄方面からが増加。21年は関東、関西方面ともに回復し始めた。外国人宿泊客延べ滞在数は、入国制限の影響で430人(同92.9%減)だった。
 同市は20年から、10年がかりで「6日間滞在できる雲仙」を目指す観光戦略を推進。今年1月には観光、農漁業などの魅力を結集して持続可能な観光地経営を目指す「雲仙観光局」が発足。アフターコロナを見据えた誘客の取り組みを加速させている。
 同統計を受け、金澤秀三郎市長は「県市の宿泊割引を多くの方々に利用いただき感謝している。新型コロナの影響が続くと思うが、社会情勢などを踏まえ、観光施策を展開する」とのコメントを出した。


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