海の宝石「ウミウシ」を越前海岸の観光資源に 国内屈指の観察スポット、福井県越前町でコンテンツ開発

福井県越前町厨にちなんだ名前のクリヤイロウミウシ(越前海岸で撮影、えちぜんログ提供)
ウミウシに焦点を当てた観光コンテンツの開発に着手した三田村勉社長(右)とえちぜんログのスタッフら=福井県越前町梅浦

 越前海岸でダイビング講習などを手掛けるミタムラ建設(福井県越前町梅浦、三田村勉社長)は、福井県観光連盟と連携し、軟体生物ウミウシに光を当てた観光コンテンツ開発に取り組み始めた。越前海岸は約300種以上が生息するという国内屈指の観察スポット。2024年春の北陸新幹線県内開業をにらみ、「海の宝石」とも称される美しい容姿と謎に包まれた生態を広くPRし「家族旅行や教育旅行を呼び込んでいきたい」としている。

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 同社は約20年前に建設業から業態転換。「えちぜんログ」の名称でダイビング事業、宿泊・飲食事業などを展開している。

 ウミウシは、貝殻は持たないが巻き貝の仲間。原色系の鮮やかな色合いが特徴で、姿形は千差万別。浅瀬の海底に生息することが多い。種類は、学名があるものだけで国内で約1200種、世界では5千~6千種に上るといわれる。

 同社によると、越前海岸では磯辺や海底でウミウシを簡単に見つけることができ、種類の豊富さは学者やダイバーの間ではよく知られていた。

 ただ、一般的な認知度は低い。県観光連盟と共同で、ウミウシを生かした観光コースの商品化や、著名人を起用した情報発信などを進め、福井の新たな「観光資源」として磨きを掛けていくことにした。

 今年5月には同連盟の助成事業の採択を受け、本年度末までに▽キャラクターやオブジェ制作▽体験プラン作成▽フォトコンテスト-などを実現したい考え。三田村社長は「周辺の事業者や町を巻き込み、まちおこしの大きな波をつくりたい」と意気込んでいる。

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