衆院新区割り

 「人口減少」の厳しい現実を改めて突きつけられた気分だ。もっとも既に衆院の小選挙区数が「2」の県もあるから、このリストがそのまま“人口減少県”とイコールでないことには少し注意が必要なのだが…▲本県など10県で衆院の小選挙区の定数を1ずつ減らし、東京、神奈川など5都県への配分を増やして「1票の格差」を是正する衆院の区割り改定案が昨日、首相に勧告された。県内は既報の通り、小選挙区の数が4から3になる▲お住まいの地域はどの選挙区だろう。まず確認いただきたい。長崎市は現在の1区と2区、佐世保市は3、4区にまたがっていた市域の分割が解消される。現行の区割りではいずれも3区に入っている離島の壱岐と対馬は新2区、五島は新3区へ▲候補者調整などを巡る動きがこれから活発化するはずだ。議員間や政党内の駆け引きや綱引きばかりでなく、政治に対する関心の広がりや、地域を見つめ直す新たな視点の提示などプラスの副産物も期待したい▲議席が減る県の中には山口、和歌山など有力議員の地元も含まれている。「地方の声」に名を借りた我田引水に同調するつもりはないけれど▲地方の人口減は「地方」ばかりの責任ではないはずなのに-と、大半が“地方”でできているこの国の地図を眺め直している。(智)

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