2018年のロシアワールドカップの熱狂から4年が経とうとしている。
『Transfermarkt』で、2018年7月からの4年間で最も市場価値が上昇した選手を調べてみた。
10位 アルフォンソ・デイヴィス(バイエルン)
現市場価値:7000万ユーロ(99億円)
当時市場価値:80万ユーロ(1.1億円)
上昇額:6920万ユーロ(97億円)__
上昇率:8650%__
21歳のカナダ代表。ガーナの難民キャンプで生まれ、カナダで育った。
弱冠15歳でMLSにデビューすると、17歳だった2018年夏にバイエルンに引き抜かれた(正式加入は翌年1月)。
バイエルンではやや燻りかけたが、ウィングから左サイドバックへのコンバートが大当たり。ブンデスでも最速レベルのスピードを武器に大ブレイクした。
8位タイ フロリアン・ヴィッツ(レヴァークーゼン)
__現市場価値:7000万ユーロ(99億円)
当時市場価値:なし
上昇額:7000万ユーロ(99億円)__
19歳のドイツ代表MF。最年少記録を次々に塗り替えている神童だ。
2020年6月のバイエルン戦でマヌエル・ノイアー相手にブンデスリーガ最年少得点記録を樹立(17歳と34日)。18歳と145日でブンデス史上最速10ゴール到達も記録している。
ただ、今年3月に前十字靭帯断裂の重傷を負ってしまった。
ドイツ代表のアンジ・フリック監督は「近年のドイツサッカー界が生み出した最高の才能のひとり。彼はまだ若い、強くなって戻ってくるだろう。それを確信している。我々は彼を全面的にサポートする」とW杯までに復帰することを期待している。
8位タイ クリストフェル・エンクンク(RBライプツィヒ)
__現市場価値:8000万ユーロ(113億円)
当時市場価値:1000万ユーロ(14億円)
上昇額:7000万ユーロ(99億円)
上昇率:700%__
24歳のフランス代表MF。もともとはPSGで育成された選手で、当時は小柄なバランサーだった。
2019年にドイツに移籍すると、2021-22シーズンはアタッカーとして覚醒。全コンペティション50試合で35ゴール19アシストと大暴れして、ブンデスリーガの年間MVPも受賞した。
リヴァプールDFイブラヒマ・コナテも「彼を説明する必要はない。今季のブンデス最強選手だ。勝ちまくったし、技術的にも優れている」と賞賛。
2022年3月には待望の代表デビューも果たしている。
7位 メイソン・マウント(チェルシー)
__現市場価値:7500万ユーロ(106億円)
当時市場価値:400万ユーロ(5.6億円)
上昇額:7100万ユーロ(100億円)
上昇率:1775%__
チェルシーで育成されてきた23歳のイングランド代表MF。
すでにブルーズで160試合に出場するなど確固たる地位を築いており、2シーズン連続でクラブの年間MVPに選出されている。
トーマス・トゥヘル監督はボールの有無にかかわらず影響力があると賞賛。また、試合と練習に取り組む姿勢も評価しており、一緒に働くのが最高だと述べている。
6位 ジャック・グリリッシュ(マンチェスター・シティ)
__現市場価値:8000万ユーロ(113億円)
当時市場価値:500万ユーロ(7億円)
上昇額:7500万ユーロ(106億円)
上昇率:1500%__
26歳のイングランド代表FW。
アストン・ヴィラの生え抜きとして活躍してきたが、2021年夏に英国人史上最高額の移籍金でシティに移籍した。
ソックスを短く履くことで知られているが、幼い頃に洗濯で縮んでしまったものを履いたらいいプレーができたので、ジンクスとして今でも続けているとか。
障がいを持つファンへの神対応が話題になったことがあるが、彼は幼い頃に弟を亡くしたほか、妹さんは脳性まひを患っている。
4位タイ ペドリ(バルセロナ)
__現市場価値:8000万ユーロ(113億円)
当時市場価値:なし
上昇額:8000万ユーロ(113億円) __
19歳のスペイン代表MF。弱冠16歳でラスパルマスにデビューすると、すぐにバルサに引き抜かれた神童だ。
バルサ1年目となった2020-21シーズンは、いきなりチーム最多となる52試合に出場。さらに、18歳で代表デビューするとEUROに東京五輪とほぼ丸々1年に渡ってプレーを続けた。
チャビ監督は世界一の才能と絶賛しているが、両親を大事にするゲーム好きの好青年でもある。
4位タイ ジュード・ベリンガム(ドルトムント)
__現市場価値:8000万ユーロ(113億円)
当時市場価値:なし
上昇額:8000万ユーロ(113億円) __
18歳のイングランド代表MF。
2019年にバーミンガム史上最年少となる16歳でデビューすると、その後、ドルトムントに引き抜かれた。アーリン・ホーランも「彼はすごいよ。まだ18歳で俺よりも3歳若い」と賞賛している。
代表にも弱冠17歳でデビューすると、EURO2020では17歳と349日という当時の史上最少出場記録も樹立した。
そんな彼はクラブでは背番号22を着用している。13歳頃にバーミンガムの育成担当から「君は22番になれる(アンカーの4番、センターハーフの8番、攻撃的MFの10番を全て合わせた選手という意味)」と言われて以降、22番を好んでつけているそう。
3位 フィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)
__現市場価値:9000万ユーロ(127億円)
当時市場価値:700万ユーロ(10億円)
上昇額:8300万ユーロ(117億円)
上昇率:1185%__
22歳のイングランド代表MF。
左足の技術が武器で広い視野、ドリブル、俊敏性を兼ね備える英国では珍しいタイプ。
いくつもの最年少記録を破ってきた神童であり、ジョゼップ・グアルディオラ監督も天才と評価している。2018-19シーズンからトップチームに定着すると着実に成長してきた。
シティでは背番号47を着け続けているが、それは47歳で亡くなった祖父ロニーさんへの想いがあるためで、背番号変更も断っている。
2位 ドゥシャン・ヴラホヴィッチ(ユヴェントス)
__現市場価値:8500万ユーロ(120億円)
当時市場価値:100万ユーロ(1.4億円)
上昇額:8400万ユーロ(118億円)
上昇率:8400%__
22歳のセルビア代表FW。
今年1月にユーヴェが7000万ユーロ(90億円)で獲得した大型ストライカーだ。フィオレンティーナでの活躍で市場価値も急上昇した。
ジャンルイージ・ブッフォンは「彼はハーランドとエムバペと並ぶ世界最高の若手。普通ではないものを持っている。フィジカルとダイナミックさを持つ“9番”の進化系だ」と高く評価している。
22歳と78日でセリエA通算50を達成するなどイタリアでの実績は十分だ(彼以上に速くセリエA50ゴールを記録した外国人選手はアレシャンドレ・パトのみ)。
1位 アーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)
__現市場価値:1\.5億ユーロ(212億円)
当時市場価値:30万ユーロ(4241万円)
上昇額:1.497億ユーロ(211億円)
上昇率:49900%__
21歳のノルウェー代表FW。
父アルフ=インゲも代表選手だったサラブレッドだが、2019年のU-20W杯で1試合9ゴールと大暴れして一躍有名に。
その後、レッドブル・ザルツブルクで南野拓実らとともに活躍するとドルトムントに引き抜かれた。ドイツでも89試合で86試合とすさまじい得点力を見せつけ、市場価値もうなぎ上り。
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来シーズンからはプレミアリーグに活躍の場を移す。