生ごみ堆肥で野菜栽培 地球に優しい環境づくり 佐世保・ホテルローレライ

生ごみを処理した堆肥を使って野菜を栽培している農園=西海市

 国連の持続可能な開発目標(SDGs)活動が広がる中、長崎県佐世保市南風崎町のホテルローレライ(中村鉄舟社長)は、レストランの生ごみを堆肥にして自家農園で野菜を栽培し、その野菜をレストランで使うなど、地球に優しい環境づくりに取り組んでいる。
 ホテルには二つのレストランと宴会用の厨房(ちゅうぼう)があり、毎日約20キロの生ごみが出る。そのため、昨年秋ごろから、堆肥化して活用するコンポスト事業を始めた。
 現在、生ごみ処理機で1日約8キロを約800グラムの堆肥にすることが可能。西海市に約600平方メートルの農園があり、キャベツやネギ、レモンなどの栽培に役立てている。肥料の量としてはまだ十分ではないが、今後は生ごみ処理機を増やして、循環型農業を本格化させる方針だ。
 また、地域との共存を目的に、長崎国際大と協力して「子ども食堂」も実施している。食材を提供し、調理人を派遣。食育も観点に、子どもと学生が調理、食事を楽しむイベントをサポートしている。

レストランなどの生ごみを処理した堆肥を手にする中村社長=佐世保市、ホテルローレライ

 高齢者、障害者に対応した設計もSDGsの一つ。バリアフリーはもとより、ホテル玄関に点字ブロックを配置し、入浴を手助けするリフトを備えた風呂がある客室も用意している。防火水槽は温泉施設に使う温水を利用し、カモやコイを飼育。癒やしの池として観光客らに人気だ。
 中村社長は「資源の持続や地域活性化、健康と福祉などに配慮しながら、サービスを提供していきたい。今、100%でなくても、少しずつ取り組んでいくことが大切」と語る。

© 株式会社長崎新聞社