絵本作家アーノルド・ローベル展 長崎県美術館で開幕 本格的展覧会は国内初

絵本の原画やレイアウトなどが並ぶ会場=長崎市、県美術館

 「がまくんとかえるくん」シリーズで知られる米国人絵本作家、アーノルド・ローベル(1933~87年)の創作の軌跡を紹介する展覧会が18日、長崎市出島町の県美術館で始まった。本格的な展覧会は国内初。ユーモアあふれる物語の基になった原画やスケッチなど約200点が並ぶ。8月21日まで。
 アーノルド・ローベルは54歳で生涯を閉じるまで約100冊の絵本を手がけた。2匹のカエルが紡ぐ友情を描いた代表作の「がまくんとかえるくん」シリーズは、小学校の教科書にも採用されている。
 会場には29冊の絵本の原画、スケッチなどが集まった。このうち、カラー印刷が未発達だった1970年代に制作された「がまくんとかえるくん」の原画は白黒で表現。2匹の豊かな表情を描く伸びやかな筆致や、当時の編集者が書き込んだコメントを基に内容が変化していく様子に触れることができる。
 17日には内覧会があった。同館の森園敦学芸員は「読む人を引き込む力量を持つ作家。彼の人生観が反映された思いやりに満ちた物語を体感してほしい」と話した。

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