川崎でミャンマー支援のイベント スーチー氏誕生日ちなみ 抵抗歌を合唱、郷土料理の振る舞いも

ミャンマーに伝わる抵抗歌を歌い、民主化の取り戻しを願う在日ミャンマー人ら=川崎市中原区の中原平和公園

 ミャンマー国軍に軟禁されるアウンサンスーチー氏が77歳の誕生日を迎えた19日、川崎市中原区の中原平和公園で、同国の民主化と、避難民支援に向けたチャリティーイベントが開かれた。在日ミャンマー人でつくる組織が主催した。

 同国では昨年2月の国軍のクーデター後、国軍が民主派武装勢力と戦い、農村などを焼き打ちする被害が出ており、居住地を追われた避難民が増えている。

 イベントはミャンマーの抗議行動で歌われる抵抗歌を、来場者がステージで合唱して開幕。続いて同国西部の少数民族チン族出身者が、竹の棒を交差させた枠の中で踊りを披露した。

 会場には国軍の空爆で焼かれた村の様子や、襲撃で亡くなった若者を悼む国民の姿、スーチー氏の来歴をとらえた写真約500点が並んだ。ミャンマー料理が振る舞われ、避難民支援の募金も行った。展示に携わった同国出身の男性(57)は「弾圧や暴力が続く母国の現状は、日本ではあまり報道されていない。人権と民主主義の問題として国際社会に知ってほしい」と話した。

 国家顧問兼外相だったスーチー氏には今年4月、禁錮5年の判決が言い渡され、現在の居場所は明らかではない。

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