ICT活用でより早く安全に 去年8月の豪雨被災地 砂防ダム整備

末川徹記者
「去年の8月の大雨で大量の土石流が発生して、流れ込んできた現場です。山肌は、こうして今もむき出しとなっています。手前には、ワイヤーネットが設置されていますが、災害の爪あとはまだ残ったままです」

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小林康秀キャスター(去年8月)
「広島市西区己斐上の上空を飛んでいます。団地のすぐ上から土石流が発生したようです。家々に押し寄せています」

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県内の広い範囲で被害をもたらした去年8月の豪雨。このうち、この住宅地にはおよそ6000立法メートルの土砂を含んだ濁流が流れ込みました。人的被害はなかったものの、ふもとにあった家屋などが被害にあいました。

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この場所では、2次災害を防ぐため、砂防ダムの整備が20日から本格的に始まりました。

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整備を行う中国地方整備局が近年、取り入れているのが、情報通信技術(ICT)の活用です。

従来は、2次元の図面を基に設計などが行われていましたが、ドローンを使うことで、3次元でより正確な測量データをすばやく解析します。

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その後、重機に入力した3次元データをもとに、掘削面までの距離などの情報が映し出されたモニターを見ながら掘削作業をします。

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作業効率や安全性などが飛躍的に向上し、この現場では、およそ1か月間、工事期間を短縮できるということです。

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現場を訪れた地元住民
「(砂防ダムの完成で)ずいぶん安心で安全な場所になるのではと期待がある。(去年は)まさか土砂が崩れてくると思わなかった。これからは常に(防災)意識を持つようになる」

中国地方整備局によりますと、砂防ダムは、来年度までの完成を予定しているということです。

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― 去年8月の大雨で被害を受けた場所では、このほか、▽広島市西区の田方地区と、▽安佐南区の山本地区でも砂防ダムの整備が進められています。いずれも来年度までの完成を目指しています。

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