スノーピーク子会社が福井県の鉢伏山一帯を観光コンサル 南越前町と契約締結、今庄365スキー場などてこ入れ

2020年度から営業を休止している福井県南越前町の今庄365スキー場。スノーピークの子会社と連携し、鉢伏山一帯の施設活用の基本構想を策定する=6月20日、同町板取

 福井県南越前町は6月20日、今庄365スキー場などがある鉢伏山一帯の観光再整備に向けた施設活用の基本構想を策定するため、アウトドア総合メーカー、スノーピーク(本社新潟県三条市)の子会社と業務契約を締結したと発表した。国内有数のアウトドア企業との連携により、2024年春の北陸新幹線福井県内開業を見据えた交流人口の増加と町全域の活性化を目指す。

 スノーピークグループはアウトドア用品の製造販売に加え、全国各地でキャンプ場を展開。富山県南砺市や茨城県つくば市など自治体への観光コンサル事業にも力を入れている。南越前町の公募型プロポーザルに、子会社のスノーピーク地方創生コンサルティングから応募があり、5月末に契約を結んだ。

 南越前町と同県敦賀市にまたがる鉢伏山(762メートル)では、旧今庄町が1990年度に今庄365スキー場の営業を開始。同スキー場を中核に、町有の温泉施設や宿泊施設、コテージ、バーベキュー舎、グラウンドゴルフ場が整備されている。

 同スキー場の利用者は、94年度の約11万8千人をピークに減少。近年は、スキー人口減少や雪不足などで年間1~2万人程度にまで落ち込み、新型コロナウイルス禍の追い打ちを受けて2020年度からは営業を休止している。町は、赤字補填による財政負担も重なっていたことから、新たな視点やライフスタイルの変化に対応した改善や運営の見直しが必要と判断した。

 基本構想の対象範囲は、同スキー場など各施設を含む約55ヘクタール。求められる機能や施設、整備スケジュール、概算設計・工事費、管理運営計画、整備後の集客数や交流人口の推計を盛り込む。現地でのキャンプ開催によるモニタリングなどを経て、23年2月に策定する。整備や管理運営の主体は構想策定後に改めて検討する。

 町は、花はす公園や今庄宿など既存の地域資源との相乗効果が見込める構想策定を目指す。町観光まちづくり課は「アウトドア分野で国内トップの目を通し、コロナ禍後を見据えて自然環境を存分に活用できる案を期待したい」としている。

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