波佐見焼サブスク「KIGAE」 サービス開始 月550円で気軽に器選び

実家の倉庫を改装したギャラリーで「KIGAEが辞書に載るような国際的な言葉になれば」と話す松尾さん=波佐見町、KIGAE PLACE

 波佐見焼の器を定額料金でレンタルできるサブスクリプションサービス「KIGAE」が今月スタートした。25社、計約3万点の器を月額550円で最大50点まで利用できる。25、26両日はアミュプラザ長崎(長崎市尾上町)に出店し、申し込み後、10点まで借りることができる。
 ゆがみや色むら、黒点が付くなど、製造過程で1割程度発生する規格外品や、長期在庫品をKIGAEが窯元・商社から引き取り、利用者に貸し出す仕組み。生産者側は在庫や廃棄処分を削減できる。
 一方、利用者側は陶器や磁器、和と洋、箸置きや花瓶といったバラエティーに富んだ波佐見焼を試したり、季節や行事ごとに交換(器替え)できたりする。器が割れた場合、故意でなければ追加費用は発生しない。器が気に入り購入する場合はKIGAEが窯元・商社を紹介し、新たなファンの開拓をサポートする。
 貸し出しと返却は原則、東彼波佐見町折敷瀬郷の同社ギャラリー「KIGAE PLACE」で行い、交流人口の拡大につなげる。遠方の利用者のために送料負担で10点まで借りることができる「スターターセット」の受け付けを7月からウェブで始める。
 KIGAE代表の松尾匡悟さん(42)の実家は波佐見焼の卸商社。倉庫の長期在庫品を見てサービスを発案し、1年ほど前から準備をしてきた。今年1月には窯元・商社の協力でモニター運用を開始。「焼き物を捨てず、世界で一番環境意識が高い産地」を目指す取り組みに賛同する窯元・商社はモニタースタート時の6社から25社まで増えた。
 フリーアナウンサー「DJマーク」としても活動する松尾さんは「400年続いてきた波佐見焼。私にものづくりはできないが、伝える力で、この先につなげられるよう努力したい」と話している。
 問い合わせは同社(電090.3131.0833)。


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