〈参院選〉新潟選挙区 4氏4様、舌戦激化 立候補者第一声

 第26回参議院議員通常選挙が公示された22日、新潟選挙区(改選数1)に立候補を届け出た4氏はいずれも新潟市内で第一声。政治団体「参政党」新人の遠藤弘樹氏(42)、NHK党新人の越智寛之氏(48)、立憲民主党現職の森裕子氏(66)、自民党新人の小林一大氏(49)の舌戦が激化する。

◇農業所得強く訴え 遠藤弘樹氏

 遠藤氏は新潟市西区の選挙事務所で出陣式を行った後、新潟市中央区の市街地を皮切りに街頭演説。「正しいことは正しい、間違っていることは間違っていると言いたい。そんな正直な国民が活躍できる新潟、日本にしたい」と力を込めた。

 選挙戦では特に農業所得や食に関する訴えを届けていく考えを示し、物価高については「先進国の中で、日本は賃金が上がっていない。そこに問題がある」と指摘した。

 参政党について「『政策がない』などと言われるが、決してそんなことはない。誰か偉い人が決めるのではなく、私たち一人一人が考えて行動できる。(有権者は)そういう政党を待ち望んでいたのではないか」とアピールした。

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 【略歴】昭和55年6月17日生まれ。新潟イエローハット入社、平成17年に退職。同20年から遠藤工業。現参政党運営党員、同参院新潟選挙区支部長。新潟市出身。新潟工業短大生産システム科卒。


◇不公平正す政治を 越智寛之氏

 越智氏は立候補届提出後、県庁前でNHK党や自身への支持を訴えた。

 NHKの受信料に関し、「生活保護受給者が免除され、年金生活者がされない現状は不公平。生活困窮者は等しく免除されるべき」と熱弁し、最終的には同党の掲げる基本政策「NHKのスクランブル放送実現」を目指すとした。

 原発問題に言及し、「県民の東京電力への不信感は払しょくできない。柏崎刈羽原発を無償で東北電力に移管した上で再稼働となれば、県民も納得できるのでは」と述べた。

 有権者へ「検討だけの岸田政権にNO。不公平を正すことが政治家の仕事であり、これを行うのがNHK党なので、皆さん応援を」と呼び掛けた。

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 【略歴】昭和49年6月6日生まれ。日本コンピューター・システム入社、平成15年に退職。現Ai System Consulting社長。愛媛県出身。摂南大国際言語文化学部卒。

◇「物価高」との戦い 森裕子氏

 森氏はJR新潟駅前で第一声。選対本部長を務める立憲民主党県連代表の菊田真紀子衆院議員をはじめ野党系の議員、支援者らが顔をそろえ、必勝を期して気勢を上げた。

 与党系の相手候補を意識した発言が目立ち、森氏は「アベノミクスの負の遺産、異常な物価高、それに対して何もしない『岸田インフレ』と戦う」と強調。「岸田インフレから皆さまの生活、働く人たち、地域の経済を守るために戦う」「石にかじりついてでも、勝利をつかみたい」などと決意表明。

 菊田選対本部長は「実績、知名度は言うまでもなく森裕子が圧倒的だが、今、このスタート時点では横一線。大変厳しい戦いとなる」と危機感を示し、力強い支援を求めた。

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 【略歴】昭和31年4月20日生まれ。旧横越町議を経て平成13年に参院選初当選、連続3期。文部科学副大臣などを歴任。現立憲民主党参院幹事長、同拉致問題対策本部長。新潟市出身。新潟大人文学部卒。

◇生命と財産を守る 小林一大氏

 小林氏は新潟市中央区の万代テラスで第一声を上げた。自民党公認として昨年7月から県内を巡り、県民が経済、農業、医療などさまざまな不安を抱いていると実感。「一つ一つを解決し、新しい風を吹かせなければ」と、出馬への思いを述べた。

 強い経済と豊かさを実感する「新しい資本主義」、北朝鮮による拉致問題の解決、防衛力の抜本的強化、子育て世帯の総合支援などを掲げ、「厳しい戦いになるが、日本国民の生命と財産を守れるのは自民党、小林しかいない」と強調した。

 党県連会長の高鳥修一衆院議員は「保守王国新潟復活を懸け第一歩を」、福田達夫党総務会長は「皆さんの思いを小林氏に託して」と支援を呼び掛けた。

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 【略歴】昭和48年6月12日生まれ。東京海上日動火災保険入社、平成17年退職。同19年に県議選初当選、連続4期15年務める。現自民党県連政務調査会長、普談寺副住職。新潟市出身。東京大経済学部卒。

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