核禁条約会議2日目 “核の傘”オブザーバー参加国がロシア非難

オーストリア・ウィーンで行われている核兵器禁止条約の締約国会議は23日が最終日です。

2日目の22日はアメリカの核の傘にありオブサーバー参加した国々が発言しました。

会議で発言した被爆者は世界の現実に失望しています。

2歳のとき長崎で被爆 朝長万左男さん「被爆国日本と世界の人々は同盟国のアメリカから核の傘で守られています。被爆者が毎晩夢見てきた核なきの世界を実現するため克服しなければならない。悲しいジレンマと高い壁を見て私たちはとても悲しく思います」

会議は現実と理想の差を埋めるものとなるのでしょうか。

山口和政記者「会議2日目を迎えました。日本とは異なる判断でオブザーバー参加したドイツなどがどのような発言をするのか注目が集まります」

核保有国が参加していないことを理由に、オブザーバーとしても参加を見送った日本。

22日の会議ではオブザーバー参加したNATO=北大西洋条約機構に加盟するドイツなどが「核の威嚇」を続けるロシアを非難しました。

ドイツ代表「この戦争は、核の側面を大きく揺さぶるものだ。ロシアは何度も無謀な核の威嚇によって核兵器を使って戦争をエスカレートさせるというような脅してきた」

また、NATO加盟国のうちドイツと同じくアメリカと「核共有」すオランダも「可能な限り強い言葉で非難する」と発言しました。

オランダ代表「可能な限り強い言葉で、ロシアの核による威嚇を非難する。ウクライナへの残忍で違法な侵略以来、何度か核兵器の使用を脅かしている。TPNWのメンバーであろうとなかろうと、ロシアの攻撃的な行動を非難し続けるべきだ」

会議に参加した被爆者はまだ諦めていません。日本の条約参加を求め現地の日本大使館を訪れました。

3歳のとき広島で被爆 家島昌志さん「大使は皆さんの要望は重く受け止めますということだった。(8月の)NPT再検討会議には総理も行って演説するということだから少しは前向きなことを言ってくれれば国民も納得するんじゃないでしょうか」

会議は23日で終わり、参加国による合意文書が採択される見込みです。

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