オーストリア・ウィーンで行われていた核兵器禁止条約の初めての締約国会議が、核廃絶に向けた宣言を採択し閉会しました。
被爆者からは課題を指摘する声も上がりました。
23日の最終日では「核の存在が人類にもたらすリスクは非常に深刻だ」として、核廃絶の重要性を訴える宣言が採択されました。
ロシアを念頭に「すべての核の威嚇を明確に非難する」と強調。
「9つの国が1万3千発もの核を保有し、数分以内に発射する準備ができている」と懸念を示し、全ての国に条約への 参加を呼びかけました。
長崎で被爆 宮田隆さん「(被爆者として)期待してきたが十分じゃない。だけども今回の会議で一歩がやっと踏み出せた。特に日本は市民社会として世界のリーダーとして頑張っていかないかんという大きな責任がある」
今回の会議ではドイツやオーストラリアなどアメリカの「核の傘」の下にある5カ国がオブザーバー参加しましたが、核保有国の参加はありませんでした。
長崎で被爆 朝長万左男さん「(私の)スピーチでは核保有国がどうやって会議に入ってくるかが課題だが、あんまり触れられていない。日本を含む「核の傘」国をどう引き込むか」
広島市の松井市長はあらためて政府に会議への参加を求めていく考えを示しました。
広島市 松井一実市長「日本政府がオブザーバー参加しなかったことは残念な思いだが、今後この問題についてどういう形で世界と国民に向けて説明するか
そういうことも考えた上でぜひオブザーバー参加を」
ICAN 川崎哲国際委員「ついに核兵器をなくすための行動が始まった。(会議に)日本政府の不在は非常に恥ずかしい状況」
第2回の締約国会議は来年11月にメキシコでの開催が決まりました。
今年8月には7年ぶりのNPT=核拡散防止条約再検討会議が開かれます。
この会議には日本も参加し、核保有国と核軍縮に向けた議論が交わされます。