日南高生が”先生”に 中3対象「寺子屋」始まる

中学生に問題の解き方を教える日南高生(中央)

 日南市・日南高(坂元教久校長、345人)で、本年度も市内の中学3年生を対象とした勉強会「寺子屋にちなん」が開かれている。地域の子どもたちに学ぶ機会を提供する取り組みで、高校生が「リトルティーチャー」として英語と数学の指導を担当。12月までに計10回開催し、本年度は122人が受講する。
 勉強会は学習機会提供や受験対策、学校間の交流促進を目的として、同校が2016年度から毎年実施している。高校生による指導は18年度から行っており、”先生”との年齢が近いため中学生が質問しやすく、教える側にとっても復習の良い機会となっているという。
 初回の15日は中学生91人が受講し、高校生32人が指導に当たった。英語の授業では、県立高入試の過去問に挑戦。高校生が長文問題の選択肢の消去法などについて、ホワイトボードなどを使って丁寧にアドバイスすると、中学生は熱心にメモを取り、分からない部分を質問していた。
 飫肥中3年の甲斐春樹さん(15)は「説明がすごく分かりやすかった。習ったことを家でもやってみる」と笑顔。日南高普通科探究科学コース2年の土田愛美さん(16)は「自分の頭の中で理解できていることを、口に出して伝えるのが難しかった。反省を次回の寺子屋に生かしたい」と話していた。

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