借金9と苦境にあえぐチームを照らす一筋の光となっている。185センチ、88キロの大型外野手、横浜DeNAの蝦名達夫(24)だ。打率3割1分4厘、2本塁打、7打点。ここ5試合はトップバッターを務め、三浦監督の信頼も増している。
26日の広島戦でも輝きを放った。初回に死球で出塁すると、すかさず今季4個目の盗塁を決めて鮮やかな先制劇を演出。1点リードの三回には広島・中村奨の痛烈なライナーに頭から飛び込んで窮地を救った。
5月6日に2度目の1軍昇格を果たすと、代打起用から徐々にステップアップ。先発した同26日のソフトバンク戦では無安打ながら進塁打や四球で勝利を呼び込み、「ヒットが出なくてもチームに貢献できているというのを実感して気持ちの余裕が出た」。大きな自信を手にした。
青森県出身の大卒3年目。昨季は1軍で31試合に出場も代打で見逃し三振が続き、ファーム落ちを味わった。「あの悔しさは今でも頭に残っている。同じミスをしないよう、走攻守で積極的にプレーすることを心がけている」
受け身からの脱却を図り、飛躍の一歩を踏み出した。「どんな投手が来ても積極的に攻めていく自分のスタイルでやっていきたい」。浮かれることなく、一振りに全てを懸けている。