広島の戦後復興を見守り、奈良県から67年ぶりに里帰りした「広島大仏」。7月1日からの一般公開に合わせて、開眼法要が執り行われました。
開眼法要には奈良と広島の僧侶23人が宗派を超えて参加しました。広島大仏とは、原爆投下から5年後の1950年から55年まで原爆ドームそばの寺に安置されていた阿弥陀如来像です。
戦後の混乱の末に行方が分からなくなっていましたが、11年前、奈良県「極楽寺」の田中全義住職が、自分の寺にある阿弥陀如来が「広島大仏」だと突き止めました。
そして、クラウドファンディングで資金を集めるなどして、67年ぶりの里帰りを果たしたのです。
読経のあと、被爆ピアノによるコンサートもありました。
極楽寺 田中全義住職
「荒れた地に杭を打って復興へと導かれた人たちが、すごく喜んでおられる。聞こえるわけじゃないが、喜んでいるんだという気持ちで一杯になりました」
里帰りプロジェクト実行委員会 松田哲也委員長
「広島大仏さんも本当に美しい街になった広島を見ていただいて、うれしく思ってくれていると思います」
広島大仏は、7月1日から9月1日までおりづるタワーで一般公開されるほか、9月10日には戦後直後に行われたお練りを再現して本通りを練り歩く予定です。