「忘れない」長崎・男児誘拐殺害19年 現場で黙とう、悼む市民

男児誘拐殺害事件から19年。地蔵堂の前で手を合わせる市民=1日午前11時47分、長崎市万才町

 長崎市で2003年、4歳男児が12歳の中学1年の男子生徒に誘拐され、殺害された事件から1日で19年。事件現場そばにある地蔵堂付近には複数の花束が供えられ、市民らが男児を悼んだ。
 「自分の子が男児と同じ年代で、ショックが大きかった」。同市の会社員、宮田健二さん(58)は、毎年7月1日に訪れるようにしている。今年は小さなジュースを供え「安らかに眠ってほしい」と手を合わせた。加害少年と同い年の息子を持つ同市の女性は「近くに来たらこの道を通る。年数がたっているが風化させてはいけない」と話した。
 地蔵堂を設置した同市立山1丁目の井村啓造さん(75)は僧侶に地蔵堂前でお経を上げてもらった。3~4歳児を見ると複雑な気持ちになるとし「痛ましい事件」と振り返った。
 事件を機に発足し、非行防止に取り組む県警の「学生サポーター」の大学生11人も訪れ黙とうし、繁華街を見回った。今年サポーターになった長崎純心大1年の生森遥さん(18)は「生まれる前の事件なので、親に話を聞いた。忘れてはいけないし、二度と起こらないでほしいと思う」と話した。


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