長崎県内路線価 2年ぶり上昇 最高の長崎・浜町は横ばい

県内各税務署管内の最高路線価

 長崎税務署が1日に公表した2022年の県内路線価(1月1日時点)によると、標準宅地の平均変動率は前年より0.5%上昇し、2年ぶりにプラスに転じた。1平方メートル当たりの路線価が最も高い長崎市浜町の浜市アーケードは、76万円で3年連続で横ばいとなった。
 評価を担当した織田雅雄不動産鑑定士によると、「浜町アーケード」では、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり一部テナントで休業、閉業がみられるが、客足が回復し、商業地としての安定した需要を維持。一方で「長崎駅周辺の開発や周辺の空き店舗増加など不安定さもある」と指摘している。また長崎駅や市中心部でのマンション用地需要は依然強く、直近でも高値で取引されているとした。
 県内8税務署の最高路線価の所在地は、いずれも昨年と同じ。長崎のほか佐世保、島原、諫早、平戸、厳原の6署は横ばいだった。一方、壱岐と福江の2署は昨年から下落。壱岐は23年連続のマイナスで下げ幅6.9%、福江は27年連続のマイナスで同3%。福岡国税局管内でワースト1位と2位の下げ幅だった。
 路線価は、県内の標準宅地3329地点などを調査し算出した。算出の基となる評価基準額が昨年より上昇した地点は、昨年の677地点から966地点に増えた。
 県内路線価は国税庁のホームページで確認できる。


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