戦没画学生 作品にあふれる情熱 瀬戸内「無言館展」会期終盤

戦没画学生の遺作や遺品を鑑賞する入館者

 太平洋戦争で亡くなった画学生の遺作を集めた「無言館展―戦没画学生 魂のメッセージ」(山陽新聞社など主催)は会期終盤。会場の瀬戸内市立美術館(同市牛窓町牛窓)には5日も市民らが訪れ、夢を絶たれた若者たちが残した作品に見入っていた。10日まで。

 長野県上田市の無言館が所蔵する遺作・遺品のうち、47人の絵画や彫刻、遺書、写真など計約250点を展観。笠岡市出身の日本画家・小野竹喬の長男、小野春男さんの〓(〓は尾の毛が併の旧字体のツクリ)風(びょうぶ)絵「茄子(なす)」(複製)は、実ったナスと葉のみずみずしさを端正な筆遣いで表現している。

 使用した絵の具や、絵の具を溶いて汚れたままの皿なども並び、来場者(77)=瀬戸内市=は「情熱あふれる絵を残した画学生たちが、若くして亡くなったことがもったいない。平和の尊さを考えさせられた」と話した。

 午前9時~午後5時。入館料は一般800円、65歳以上700円、中学生以下無料。問い合わせは同美術館(0869―34―3130)。

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