瓊浦 意地の延長サヨナラ 主将木場が殊勲打 第104回全国高校野球長崎大会 第2日 

【1回戦、壱岐商-瓊浦】11回裏瓊浦1死二、三塁、木場が中前にサヨナラ打を放つ=県営ビッグNスタジアム

 過去、夏の優勝2回の伝統校が意地を見せた。瓊浦が延長の末、壱岐商に1-0でサヨナラ勝ち。OBでもある就任2年目の宮﨑監督は「守りで本当によく粘ってくれた」と表情を緩めた。
 今季のメンバーは下級生が多く、この日のスタメンに3年生は3人だけ。それでも、熱戦に決着をつけたのはそのうちの1人、主将木場だった。
 十一回1死二、三塁で回ってきた打席。「みんながつないでくれたチャンス。絶対にかえす」。高めの直球に詰まらされたが、執念が乗り移ったかのように、打球は中前に落ちた。三走加賀江が歓喜の生還。全員がバットを短めに持ち、コンパクトな打撃を心がけたのが最後に実った。
 試合の流れをつくったのは1年生の右腕2人。先発の尾﨑が120キロ台の直球に変化球を織り交ぜて好投すると、七回2死一、二塁でマウンドを託された2番手矢野は直球で三振を奪い、ピンチを脱出。リードする木場が「信頼して強気に配球した」と振り返った通りに、2人とも堂々のマウンドさばきを見せた。
 次は選抜出場校で第2シードの長崎日大とぶつかる。厳しい戦いも予想されるが、木場は「きょうと同じく、守備からリズムをつくる」と一歩も引かない構え。苦しい試合を勝ちきり、勢いづいたチームが見据えるのは31年ぶりの頂点だけだ。


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