◆横浜桜陽0-7法政二
横浜スタジアムの三塁側応援席で、法政二が誇るレジェンドOBが後輩たちの活躍を見守った。1960年代に黄金時代を引っ張り、巨人入団後はV9戦士の中心として活躍した柴田勲さん(78)。3年ぶりの初戦突破を見届け、「久しぶりに勝ってくれてよかった」と胸をなで下ろした。
現在はOB会の名誉会長として母校の応援を続け、ここ10年以上は都合がつけば球場にも足を運んでいるという。「3年間の青春をささげているのだから、悔いのないように野球ができる楽しさを味わってほしい」と熱視線を送った。
一方で、古豪と呼ばれて久しい母校の現状に寂しさもある。57年から神奈川大会5連覇を成し遂げ、61年には戦後初の甲子園夏春連覇を果たした法政二。ただ、88年夏を最後に甲子園から遠ざかり、近年は大会序盤で姿を消すことも少なくない。
最強チームのエースだった柴田さんは古豪復活への思いを内に秘めつつ、「当時は神奈川で優勝するのは当たり前だった。今は学校の入試制度など環境が変わり、時代の流れもあって仕方がない」と話した。
この日は柴田さんの1学年下で日本人初の大リーガーとなった村上雅則さん(78)も観戦。「勝負は競争。その厳しさも学生時代に学んでほしい」と後輩を思った。