<高校野球千葉大会>エースの存在も…完封勝利の市立松戸と涙をのんだ二松学舎柏

<高校野球千葉大会>完封勝利の市立松戸

 夏の日差しが照り付ける11日、チバテレ+プラス編集部は柏の葉公園野球場の2回戦<二松学舎柏 vs 市立松戸>を取材しました。

 0対0の接戦で試合が進み、迎えた5回裏では、市立松戸が集中打で一挙4点を先制。スタンドも暑さに負けないくらいの盛り上がりをみせます。

 その後、二松学舎柏が粘り強いプレーをみせるも、市立松戸が7回裏にさらに1点追加し、5対0で市立松戸が勝利を手にしました。

 市立松戸といえば松戸市唯一の“市立高校”で、2022年には卒業生の瀧本将生が福岡ソフトバンクホークスに育成で入団しています。

 そんな瀧本から背番号を受けついだ“注目の選手”の姿をご存知でしょうか?

 市立松戸の松浦一樹部長も、「コントロールや取り組み・キャラクターなど、瀧本とはまた違う良さがある良い投手。とにかく実直で、トレーニングにも自ら取り組むような完璧な選手」と太鼓判を押すほどの選手。  

 それは…身長180センチ、最速143キロの直球を投げる小松勇稀投手です。

 11日は、早いストレートと変化球を組み合わせながら球を投げ、ダブルプレーを奪うなどして、5-0で完封勝利を収めています。

 2021年秋以降自分たちの代になってからは、初めて掴んだ“勝利”だということで、試合後に取材に応じた小松投手は喜びの声を口にしました。

試合後、取材に応じた小松投手は―

「公式戦で1度も勝ったことがなかったので、しっかりと初戦に全員が全力でいって勝てたので、ものすごく嬉しかったです。後ろがしっかり守ってくれるので、自分は自信をもって腕を振って投げられました」

 小松投手が言うように、11日の試合ではキャプテンの福田を中心に、ショートの斎藤 颯太選手・サードの小松 飛翔選手などの好プレーが続きました。

「声で相手を圧倒する・ひかない姿勢を持つなど1人1人が仕事をして全員で勝っていくという自分たちの野球を、最後までやりきると決めて試合に臨みました」

「(今後の目標は)シード校を倒して、ZOZOマリンでしっかりと自分たちの野球を残して勝ち上がっていきたいです」

スタンドで出会った、小松投手の母は―

「最後まで投げられてよかったです」「緊張しやすい子なのですが、今日はいつも通りに朝ご飯を食べていました。今後も落ち着いて投げてほしいです」


 一方、涙をのんだ二松学舎柏は「悔いはない」と話す。

 試合後には、部員たちから親に対し、「これからも支えてもらうことが多いと思いますが、支えられてきたものを少しずつ返せるように頑張っていきます。本当に今までありがとうございました」と、“感謝”の言葉を口にした。

 練習をするときなどに着用しているというサブユニフォーム。 

 袖の部分には、“親に感謝” という刺繍がほどこされている。

 途中出場した、鈴木裕也投手(背番号1)の母は、「1年生の時は大会がなく、2年生のときは制限があった。こうして最後の最後で初めて“高校野球”を感じることが出来た。グッとくるものがありました」

「家に帰ったら、息子に対する今の気持ちを手紙に残そうと思っています。直接だったら小言も言ってしまいそうなので(笑)でも、本当に“親に感謝”ならず“子どもに感謝”をしたいと思います。大変だったけど楽しかったです」

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