“離島振興、農業発展に期待” 参院選から一夜 長崎県内各界反応

 半世紀近くにわたる政治活動から引退を表明した金子原二郎氏(78)の後継として出馬し、初当選を果たした山本啓介氏。新顔国会議員の誕生に、長崎県政財界や業界団体からも要望が上がるとともにエールが送られた。
 大石賢吾知事はコメントで「本県は、まちのたたずまいや産業構造が大きく変化する100年に一度の変革の時期」とし、国会議員の支援の必要性を強調。「地域の声を国政に反映いただき、本県発展に対してさらなるご指導、ご支援を」と要請した。山本氏の出身地、壱岐市の白川博一市長は「80年ぶりの市出身の国会議員の誕生に島は歓喜と期待に包まれている」と祝福。「離島振興をはじめ、郷土発展、日本繁栄のため尽力を」とエールを送った。
 農相を務める金子氏の後継であることを踏まえ、JA県中央会の辻田勇次会長は「農業の理解者として、本県の農業発展に頑張ってほしい」と期待を寄せた。県内の農業産出額向上に加え「1次産業や食の大事さを伝える運動にも取り組んで」と求めた。
 県医師会の森崎正幸会長は「防衛や離島振興などに強みがありそうだが、少子化対策や医療、福祉についても国のパイプ役としてしっかりやってほしい」と要望。新型コロナウイルスについては「対策が個人に任されるようになってきている」とした上で「高齢者、基礎疾患のある人、妊婦、(健康な)若者など立場によってそれぞれに対策が必要なことを国に示してほしい」と話した。
 県商工会連合会の吉村洋会長は、コロナ禍に加え、円安、エネルギー価格や原材料の上昇など県内企業の厳しい経営状況を指摘した上で「(特に影響が大きい)離島地区出身の国会議員として、多くの小規模事業者の声に耳を傾け、持続的な発展を後押しする各種支援策の拡充に向けて力を尽くして」と望んだ。


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