広島県福山市の学校が、ウクライナから避難してきた14歳と15歳の生徒を受け入れています。学校が開いた会見で2人は、「いまもウクライナに残る家族や友だちに早く会いたい」という思いを口にしました。
福山市引野町にある小学生から高校生までが通う英数学館です。
英数学館では、4月にウクライナ東部のドネツク州から福山市に住む親戚のところに避難してきた15歳のアレクサンドル・マリッシュさんを5月から生徒として受け入れていました。
また3月に日本に来た14歳のアナスタシア・クラブチュクさんを今月から受け入れています。
英数学館では英語による授業も行っていることなどから、福山市に支援への協力を申し出たということです。
英数学館小・中・高等学校 永留聡校長
「教育面での協力はできないかと考え、福山市と協議してウクライナの生徒の受け入れに至った」
クラブチュクさんは、7年の間福山市に住んでいる姉を頼って避難してきました。いまもウクライナに残る両親や兄のことを心配しているといいますが、学校生活には慣れてきた様子です。
アナスタシア・クラブチュクさん(14)
「英数学館が大好きです。ここに通い始めてまだ1週間だけど、みんなと仲良くなれた」
長期化しているロシアのウクライナ侵攻にマリッシュさんは…。
アレクサンドル・マリッシュさん(15)
「ウクライナで父が軍隊にいる。みんなと世界のために毎日頑張っている。早く戦争が終わってほしい。友達や家族に本当に会いたい」
福山市の担当者は…。
福山市 佐藤淳爾市民生活課長
「福山市の支援としては、市営住宅等の無償化をしています。ウクライナ情勢が不透明でございます。長期化に備えた支援が今の課題となっています」
ウクライナ避難民への支援について福山市では、市役所の窓口で募金を募っているほか、ふるさと納税での寄付を受け付けています。
会見で2人は日本と、受け入れをしてくれた学校に対して何度も感謝の気持ちを話していました。同級生の協力もあって学校生活は順調なものの、日々生活しているなかで、救急車やパトカーのサイレンを聞くとウクライナで聞いた音を思い出して怖い、ということ…。2人とも日本のお寿司が大好きだそうです。