【高校野球神奈川大会】7年ぶり全シード校が初戦突破 公立6校は高い攻撃力発揮 16日から3回戦

【横浜隼人―川和】8回表川和2死二塁。三枝木の適時打で生還する二走田宮

 第104回全国高校野球選手権神奈川大会第7日は16日、サーティフォー保土ケ谷球場など8会場で再開し、3回戦16試合を行う。

 今大会は、2015年以来、7年ぶりにシードの全16校が初戦を突破。桐光学園や横浜隼人が苦戦した一方、6校の公立勢は、春の勢いそのままに高い攻撃力を発揮した。1、2回戦の好ゲームを振り返った。

 「夏は独特。とにかく難しい」とシード校の監督が口をそろえるのが初戦。12日に藤沢八部球場で行われた2回戦の横浜隼人─川和は、延長にもつれ込む熱戦となった。

 川和は先発した1年後藤が5回2失点と好投。2点を追う打線は八回に1点を返し、九回2死から同点に追いついた。最後はサヨナラで惜敗し、「『打倒私学』を目標に昨年からやってきた。隼人が(延長の)あの場面で打てるのは、それだけ相手が上回っていたということ」と主将青柳。公立の雄として互角の戦いぶりは見事だった。

 春の王者・桐光も主戦針谷が古豪・法政二に打ち込まれ、七回には一時リードも許した。ただ、百戦錬磨の野呂雅之監督(61)は大会前から「夏は難しい試合が絶対にある。いかに勝ちきれるか」と選手に伝えてきた。大きな動揺も見せずに八回に集中打で勝ち越すあたりは、さすがの試合巧者だった。

 昨年甲子園に出場した横浜と東海大相模はコールド勝ちで好発進。公立勢では創部初のシードをつかんだ市ケ尾に加え、金沢、相模原弥栄が初回から大量得点を重ねるなど圧倒した。

 神奈川代表の甲子園切符を懸けた戦いはいよいよ中盤戦へ。重圧から解き放たれたシード校に、ライバル勢が挑んでいく。

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