“連覇へ”長崎商が8強 甲子園経験者がけん引 攻守で勝負強さ発揮 第104回全国高校野球長崎大会 第7日

【3回戦、長崎西―長崎商】1回表長崎西無死一塁、二盗を阻止する長崎商の捕手伊藤=スポーツパークいさはや第1野球場

 連覇を目指す長崎商は昨夏の甲子園を経験した澤山、大坪の二遊間と捕手伊藤が抜群の存在感でチームを8強へ導いた。2安打2打点で守っては九回無死一、二塁から好救援も見せた主将の澤山は「この1年間とにかく3人で引っ張り、精神的支柱になれるようやってきた」と頼もしかった。
 1-1の四回に2点を勝ち越して、なおも2死一、三塁から澤山が左中間へ2点三塁打、大坪が左前適時打。畳みかけた連打が勝負を分けた。西口監督も「経験値が高く、ここぞというところでの落ち着き方が違う。今は3、4点差でもひっくり返される。5点差でいけたのが大きかった」とうなずいた。
 伊藤も輝いた。初回と六回ともに、無死一塁で走者を動かしてきた相手に素早く反応して二盗を阻止。五回にも無死の送りバントを強肩で二塁封殺した。四回には先頭の右翼線への打球を完璧な中継プレーで澤山が大坪へ送ってタッチアウト。同じ安打数の長崎西を1点に抑えたのも3人の貢献が大きかった。
 派手さはないものの、堅実で粘り強い姿は、サヨナラ二つを含む逆転4試合で頂点に立った昨夏のチームと重なる部分もある。ここからさらに厳しい試合が待ち構える中、伊藤は「先輩たちのおかげで今年も絶対に(甲子園へ)行きたいと思っている。どんな状況でも平常心、集中。少ないチャンスをものにしていく」と決意を新たにしていた。


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